『青苧(あおそ)』は、山野、特に人家近くに生えるイラクサ科の多年草。
江戸時代には最上川舟運で各地へ運ばれ、奈良晒(ならさらし)や小千谷縮(おぢやちぢみ)など、高級織物の糸として、武士の裃(かみしも)や富裕階級の単衣などに使われていました。一説では、紅花より高値で取引されていた事もあるといわれています。
山形県内では、置賜地方や村山地方などで主に栽培されていましたが、中でも大江町産は良質とされ、松山藩左沢領の「第1の産物」として発展。裕福な青苧商人が生まれ、町は大変賑わっていたそうです。
しかし、明治以降は養蚕が盛んになり、青苧栽培は衰退。自生した青苧はあるものの、雑草扱いされ、今日に至っています。