春の夜なべ
青苧復活夢見隊:2013/05/10
ゴールデンウィークも過ぎたというのに、まだこたつとストーブが仕舞えません。
果樹もこのところの低温の影響で受粉がままならず、やきもきしています。
今年の春はお天気気まぐれです。
さて、まだ雪のあった頃から頼まれていた和紙用の青苧をようやく切り終えました。
3,4月は何かと夜から出かけることが多く、夜なべもはかどらず仕舞いでした。
春の夜なべは冬の夜なべとはまた趣が違います。
冬はしっかり睡眠をとらないとなかなかしんどいものがありますが、春は朝が早くなっても自然と目が覚めるし、多少寝不足でもそれほどつらくありません。
季節季節で体も睡眠に対するものが違うんですね。
そんなことで、春の夜なべはなんとなく気持ちに余裕を持って行えます。
和紙用の青苧は1m50cmほどある原麻を5mmほどの長さに切っていきます。
今回必要な量は200g。
たったそれだけの量でも5mmで切っていくとなると結構な根気が要ります。
程度が分かり、リズムに乗れればいいのですが、最初の内は長さが掴めず、何度も定規を当てていました。
ただ、こういう地味で根気の要る仕事は、量が貯まっていくとそれがまた快感に変わっていきます。
一日で出来る分は知れていますが、それが何日も積み重なってだんだん山になっていくと、にやっとしてしまいます。
ただ、200gといっても片手で持てるジュースなどだとなんとなく当たりも付けられますが、青苧のようにもともとが軽いものだと、重さがよく分かりません。
まだまだ~と思いながらふと量ってみると60gもオーバーしていました。
神社では米や酒など様々なものが奉納されますが、一番厚遇されるのは麻だそうです。
伊勢神宮に大麻を奉納した方から、直接そのお話を聞きました。
確かに大麻は古来から様々な場面で生活の役に立ってきたものですし、きらきらした精麻は神々しくさえ見えます。
精神的な寄り代としても大きな役割を果たしてきたことでしょう。
青苧も切り終えてふと見ると、なかなか美しいものでした。
自分が夜なべしたという肩入れはあるものの、この美しさが和紙に漉かれると思うと、それはまた純粋にいいのだろうなあと思います。
青苧は丈夫で切れないことから、身体堅固や安産祈願にも使われてきました。
今回は和紙用ということで切ってしまいましたが、出来たものを見ていると神々しくも見え、青苧も奉られるものであってもさもありなんと思います。
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