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2012年5月の記事

幸せの焼畑

青苧復活夢見隊:2012/05/20

焼畑を行いました。

今年は青空の下、風もない絶好のコンディションに恵まれました。

隊員の他、様々な方がお手伝いに見え、おかげさまで総勢20人を悠に超す過去最大規模の焼畑となりました。

 

焼畑は青苧栽培のメインイベントと言っていいでしょう。

と言うよりも焼畑以外、栽培に関しては特にすることがありません。

風による倒伏防止のためネット張りは行いますが、基本的にはそれ以外畑に立ち入ることなく約二ヵ月後の刈り取りの時を待ちます。

焼畑の目的は主に次の三点です。

1、芽揃い

2、害虫駆除

3、草木灰の利用(肥料)

 

今年は材料となる稲藁を充分に確保出来たため火柱も高く、これまでにないほどのきれいな火列となりました。

人数が多ければ作業の進行もスムーズ。

畑全面が灰に覆われるやすぐ肥料を振って予想より二時間も早く作業が終了したのでした。

 

先日、別件で博報堂さんの生活総研発表会に出席する機会がありました。

そこでそれぞれが自立した上で主体的な役割を持って連帯し、既存の制度や枠組みを越えたつながりを持つ「圏づくり」というお話を聞きました。

圏の特徴としては、

1、テーマがある自発的なつながり(損得ではない)

2、オープンでさらさら(排他性がない。外に対してオープンで中はさらさら)

3、自由だから力が発揮できる(臨機応変に対応できる)

の三つが挙げられていました。

圏というつながりは様々な場面で増えてきているようですが、地域も職業も生い立ちも様々な老若男女が集った今日の焼畑を見ていると、まさに圏の特徴にぴたりと当てはまり、いつの間にか青苧もそういう集まりになったんだとはっとさせられました。

 

圏づくりには他にフットワークが軽い、多役多幸化するという側面もあるようです。

一昔前の社会のあり方から転換しようとしている今の時代、身も心も些細なことや過去の経験に捉われずに生きるというのは大事なテーマのように思います。

足取り軽くやりたいことをやれたら人生は楽しいですよね。

 

畑のあちこちからいろんな話題や声が聞こえる今日の空間を思い返すと、多役多幸というのは人間と社会の役割やあり方をゆるやかにする鍵なのではないかと思います。

どっぷりはまる必要もないし、ちょこっと覗いてみるだけでもいい。

何かいつもとちょっと違う体験をしたい方はいつでも声を掛けて下さい。

自立しつつも全く違うジャンルで連帯する。

思いもよらない力が得られるかもしれませんよ。

 

葛布展

青苧復活夢見隊:2012/05/02

大沼デパートに行ってきました。

3月に訪問させていただいた静岡の大井川葛布さんが今日から8日までの会期で葛布展を開いているので、代表、隊長らとお邪魔したのでした。

ちょうど桜の季節でもあり、桜染めのものなどもありましたが、「服薬」という言葉は昔は文字通り着るものに薬を染めて体内に摂り込むことを指していたのだそうです。

前回のブログで書いた「衣食住」の衣の重要性がこんな言葉の一つからも伺われます。

 

色とりどりの染料で染められた葛布製品の数々を見ていると、私たちが知らないこと、忘れてしまったことを物言わぬ態度で諭されているような気がしました。

「私たちは変わらずこうだけど、あなたたちはどうなの」と。

これまた前回のブログで書いたように何でも簡単に手に入る世の中になった結果、一つの製品の背景は見えなくなってしまったように思います。

 

果樹栽培をしていても地面から上の「木」の部分にばかり注意が行ってしまいがちになります。

でもその「木」を作っているのは地面から下の見えない根っこの部分。

なまじっかものが見えるということは見えないものを見るのを非常に難しくします。

見えないものが見えない内は見えてることにはならないのでしょう。

 

そんなことを考えながら歩いていたところ、肌触りで強く興味を引くものがありました。

葛布タオル。

乾いた状態のタオルは光沢のあるせいか見た目にもパリッとした印象ですが、水に濡らすとふにゃっと柔らかい感触に一変します。

優しさが肌にまとわりつくような感じで、説明書きには「濡らして使うと揮発熱の効果でとても涼しく感じます」と書いてあります。

これからの屋外作業用にはありがたいと一つ購入しました。

暑いときは濡らして首などに巻く他、使用後はシャワーなどで汗を流すときの洗いタオルとしても使えるようです。

葛布は乾きも早く、アラントインという物質が肌を強く美しくする効果もあるとのことで、これは一石二鳥どころではありません。

私が買ったのはスポーツタオルですが、普通のタオルやフェイスタオルもありました。

展示を見に行かれる方は実際に触ってみることをお勧めします。

 

なんだか大井川葛布さんの宣伝のようになっちゃいましたが、たまには違う素材のこともいいでしょう。

他にも帯地やのれん、帽子、スカーフなど様々な作品を展示しています。

大井川葛布展、会期は5月2日(水)~8日(火)。

会場は大沼デパート山形本店7階ギャラリーです。

 

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