2013年7月の記事
マシン、白日の下に
青苧復活夢見隊:2013/07/21
じぇじぇじぇ!(あまちゃん)
か、
ギョギョギョ!(さかなクン)
か、
ジャジャジャジャーン!(ハクション大魔王)
かよく分かりませんが、苧引きマシンが遂にそのベールを脱ぎました。
脱がせてくれたのはもちろん酒井美智代さん。
思えば今年1月の酒井さん著『山に生きる』での出会い以来、ことあるごとに脳裏に浮かんでは消え浮かんでは消えしてきたマシン。
半ば妄想の産物となりつつありました。
刈り取りも始まったことだし、いよいよ満を持して福島県昭和村の酒井さんを訪問です。
山形県が全国ニュースとなった豪雨により、雨にたたられる昭和村行きの悲劇が今回も?と案じた前日をよそに、出発直前に確認したところでは、道中の通行止めや土砂崩れ等の心配はなさそうでした。
振り返ってみれば、昭和村へ行くときは半分の確率で大豪雨に見舞われているのですから、疑心暗鬼に陥るのも人の子として仕方がないことではあります。
今回はプリウスでの旅ということで、運転の負担も少なく快適です。
酒井さんとの縁を繋いで下さった松島さんと昭和村で合流後、一緒に酒井さんのお宅を訪ねました。
丁度玄関で作業中でしたので、お仕事を拝見しながらお話を伺いましたが、マシンよりも先に我々が目を奪われたのは酒井さんの技の見事さ。
早く、的確で、美しいです。
酒井さんにとっては普通のことでもセミプロとも言えない我々にとっては、皮はぎのやり方一つから勉強になりました。
何より青苧自体がみなまっすぐで揃っており、栽培からして違うのだなと思わされました。
マシンは想像していた形とはやや違いました。
私はカンナのような一本歯をイメージしていましたが、マシンは苧引き具を取り付けた歯が10本ほど環状に並んでおり、それらが次々と回転して引いていきます。
元々は大麻用の機械ということで、苧引き具を当てる角度からして違うようです。
手で引く場合は苧引き具の当たる音がしないくらいに寝かせて引くものですが、マシンの方はカツカツカツ…!と間断なく襲いかかる歯の音が勇ましく、いかにも激しいです。
私も試しに引かせてもらいましたが、マシンのあまりの勢いに押されてしまったようでした。
これも熟練が必要なのでしょうが、所々皮が残ってしまい、手で引く場合に比べるとどうしても質は落ちるようです。
仲買人も機械引きのものは買っていかないとのことでした。
上級の糸を必要としない場合には多くの量をこなせるようですが、これを実用とするには現段階では少し難しいかもしれません。
ただ、マシンの構造自体は簡単なので、青苧用に改良しようと思えば出来なくはないようです。
イメージとしてはやはりカンナが近いように思います。
冬から恋焦がれていたマシンとの出会いは興奮と少しの失望、今後の熟考を残して終わりましたが、酒井さんとの出会いもそれに劣らず刺激的でした。
まっすぐの人にはまっすぐな想いが秘められている。
酒井さんの一挙一動からそんな風に感じました。
またいつか訪問させて下さいね。
つなぐつなげるつながる
青苧復活夢見隊:2013/07/19
別に本名を隠してるわけではないんですが、5月に続いてRちゃんが筆をふるってくれました。
今回は仙台出張編。
7月13日に仙台市内でジョイセフ主催のMOM meets MOM in TOHOKUが開催されました( ´ ▽ ` )
会場は仙台市のJALシティホテル。
小雨の降る中、子育て中のお母さんたちがたくさんお集まりでした*
今回、ワークショップで青苧の原麻を使ってくださったジョイセフさんは、45年前に設立されたNGO。
戦後、日本はベビーブームを迎えましたが、中絶率は高く緊急時の対策も十分とは言えない状況。
しかし、助産師の育成など地道な母子保健の発達によって1955年には赤ん坊の死亡率が大幅にダウン。
そんな日本の母子保健を途上国の支援に繋げたい、という想いから発足したのがジョイセフです。
ジョイセフは世界の様々な国のお母さんたちを支援してきましたが、2011年3月11日の東日本大震災の折、海外のお母さんたちから日本のお母さんたちを支援したいという声に応え、2011年3月14日、海外と日本を繋ぐ被災地支援を決めました。
今回のワークショップは東日本大震災のときに支援してくださったスマトラ沖のアチェのお母さんたちへのメッセージカード作り。
柑橘系のヴァーベナの香りをつけて出来上がりです。
一人、二枚のメッセージカードを作成!
一枚は東日本大震災にメッセージをくれたインドネシア・アチェのお母さんたちへ。
もう一枚は交流会に参加したお母さんたちで交換しました(^^)
青苧はそのメッセージカードに使用されました*
to mothers みちのくのみなさんやジョイセフの方々との縁を繋いでくれた青苧。
お母さんたちと赤ちゃんの命、日本と海外のお母さんたちの絆を繋ぐ青苧。
さて、次は何を繋げようかな?
塩の交わり
青苧復活夢見隊:2013/07/11
月山和紙の三浦さん、芸工大の大山先生、夢見隊から村上代表、渡辺隊長以下4名が参加して上越市のNPO法人「越後青苧の会」を訪ねてきました。
新潟は南北に長いので高速道路を走っても上越まではかなりの距離です。
道路の左右に延々と広がる田園に触発されたか、お昼はコシヒカリラーメンを食べる隊員もいました。
ちなみに私は敵に塩を送った謙信公に敬意を表し、ホワイト焼きそばなる塩焼きそばを頼みましたが、ちょっと味が濃かったかな。
お話は越後青苧の会の近藤理事長のお宅で伺いました。
この日はぐんぐん気温も上がり、扇風機二台が至近距離でフル回転でもじんわり汗がにじんでくるくらいです。
そんな中、卓を囲む面々の熱気も相当なものだったのでしょうか、扇風機にも流されない熱さで2時間を迎えようかという頃には私は少しぼーっとしかけました。
理事長のお話では、越後青苧の会も我々も似たような軌跡を辿っているとのことで、ぜひいろいろと協力し合いましょうということに落ち着きました。
お互いに敵ではないものの、塩を送りあうという格好になるのでしょうか。
聞けば、上越は来年高田開府400年を迎えるそうですが、その高田城主、徳川家康の六男、松平忠輝の治世にはあらゆる産業で組合を作って独占し、お上の言うこと以外のことを禁止したために、今でも新しいことをやろうとする気質がないと嘆いておられました。
また、上杉公が越後から移封された時に、青苧関係の職人をみな連れて行ったことは以前のブログでも書きましたが、それは単に移封先で新たに青苧産業を興すという目的の他に、青苧のライバルとなる町を残さないためでもあったそうです。
今では考えられないような人の移動があった時代、生き死にが切実でもあった時代です。
当時の人の思惑は我々の知らないところで今も生きていますね。
帰りは日帰りの強行軍にも拘らず、思いがけず春日山城址まで足を伸ばすことが出来ました。
城は跡となりましたが、この地に住んだ人の思いはいろいろな形を取って城よりもなお堅固。
歴史を感じた一日でした。
それにしても、行きも帰りも運転して下さった大山先生、安全快適なドライブどうもありがとうございました。
近藤理事長お手製の青苧和紙ランプシェードも紹介しておきます。
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