「これまでに経験したことのない」バカ
青苧復活夢見隊:2014/09/30
暑い夏が過ぎたと思ったら、あっという間に稲刈りが進行しています。
農作業をしていると、何かが終わったと思ったら息つく間もなく次の作業が待っていて、改めて季節に追われているなあと実感します。
この分だと紅葉もあっという間に来て、まもなく雪を迎えるのでしょう。
ここ何年か、異常気象による被害、災害が急激に増えています。
一昨年からは「これまでに経験したことのないような大雨」などという表現で、その程度や規模を伝えています。
これを単に、温暖化による異常気象のせいなどと捉えてしまうのは、随分と能天気な話です。
これまでに経験したことのないような自然現象が、こうも次々と大規模化してやってくるものでしょうか。
何百年に一度とか千年に一度といった頻度のものが毎年やってくるというのは、確率的に見てもまずありえないことだと思います。
自然に発生したにしては、随分と首をひねりたくなるような事柄が頻発しているのですから、これはまず自然に発生したものではないと考えるのが妥当ではないでしょうか。
天気予報がしょっちゅう外れるのも、これまでのようなデータが通用しないからで、つまり、気象に人為的な力が操作されているからと考えれば納得できるのではないでしょうか。
元々日本には美しい季節の移り変わりがあって、それがニュース番組の中でも他国では例を見ないほど敏感に紹介されますが、不自然な自然現象についても、どのくらいの雨が降ったとか被害はどのくらいかなど事細かに放送されるのですから、現象を操作している側からすると高みの見物もいいところ、笑いが止まらないでしょう。
一般の人は気象がおかしいとは思いつつも、あくまで自然現象としてしか見ていないので、これほど好都合な隠れ蓑もありません。
異常気象は農業に従事する人にとっても死活問題です。
一年の苦労が一日でパアになってしまう。
それも「自然現象だからしょうがない」で片付けてしまっては、泣き寝入りですらない、知らぬ間に騙され続けている大馬鹿者です。
日本は何よりも和を尊ぶ国として、建国の精神にも八紘為宇(八紘一宇)、武力を使わないで平和裡に世界をひとつの屋根のもとに統治せんと宣言されています。
その魂は荒魂、和魂、幸魂、奇魂からなる一霊四魂という構造ですが、それぞれは荒魂:武人、和魂:商工人、幸魂:農耕人、奇魂:漁人を表しているのだそうです。
そうした平和的な民族からすると、せっかくの力を破壊と暴力支配に費やす連中の愚かしさはそれこそ愚の骨頂です。
騙す側が馬鹿なのか、騙される側が馬鹿なのか、どっちも馬鹿なのかと思っていたら、ハナ肇とクレイジーキャッツが歌っていました。
「馬鹿は死んでも直らない」
<歌詞を載せておきましょう。
バカにバカたしゃ バカばかり
バカからバカ引きゃ うすらバカ
掛けたり割ったりしてみても
アホウと間抜けがチョイと顔を出す
とかくこの世はバカばかり
中途半端はおよしなさい
バカは死んでも直らない
自慢じゃないが 俺もバカ
遠慮するなよ 君もバカ
利口ぶっても いばっても
とどのつまりはチョイとボロを出す
とかくこの世はバカばかり
へたな考えおよしなさい
バカは死んでも直らない
バカは気楽というけれど
バカになるのもらくじゃない
バカとバカとでガッチリと
広い世間をチョイと渡ろうよ
とかくこの世はバカばかり
天下御免のバカになれ
バカは死んでも直らない
バカとバカとでガッチリと渡っていくしかないんですね。
草の上から
青苧復活夢見隊:2014/08/08
「猛暑」が毎日のように聞こえてくる季節になりました。
と同時にこの時期は草の伸びも猛烈です。
刈っても抜いてもまたすぐ出てくる。
野菜農家さんなどは、一通り草取りをしてスタート地点に戻ってみると、またすぐに草に追われるといいます。
とにかくうらめしい、草なんてなければいいのにと思いたくもなりますが、もし草が生えなかなったら土も豊かになりませんし、いい作物も取れません。
草が全く生えなくなってしまって、人工的にこれをやろうと思ったら、とんでもないお金と手間暇がかかります。
そう思うと、ただで勝手に生えてくる草はとても有難い存在です。
今年の青苧の刈り取りも今週で終わりましたが、青苧も考えてみると毎年毎年勝手に生えてきます。
多年草とは言え寿命がありますから、年月が経つとだんだん最初の頃のようには行かないのかも知れませんが、とにかくその旺盛な生命力には感服します。
大体、植物というものは上に上に成長します。
私は昼休みには大抵畑で横になって休んでいるので、草がとても身近です。
そのまま寝入って夢を見ている時もあります。
最近は「夢をチカラに」とか「夢をカタチに」といった言い回しもよく耳にもしますが、「将来の希望」といった意味で使われるようになったのは「Dream」を訳した明治以降だそうです。
それ以前は、どちらかというと「儚いもの」という意味で使われていたのではないでしょうか。
そもそも夢の語源は、「夕暮れに草むらで何か見ようとするが何も見えない」というものです。
転じて、目をふさいで見る夢の意になりました。
夢は目で見るものであって、かつ儚いものということがよく分かります。
対して、古来から使われてきたものに志があります。
「志」という字は、草木が伸びてゆく姿をかたどった象形文字の「之」の古形と、心臓を示す象形文字の「心」を組み合わせたものだそうです。
また、「之」は足の形が変形したもので「行く」という意味があります。
つまり、心が目標を目指して進み行くことを表しています。
心と足が組み合わされていることで、より具体的な行動につながることが連想出来ます。
私自身の印象で言うと、夢は個人的なもの、志は自分がその力を発揮することで社会の役に立つ、より公共心に富んだものという感じがします。
また、夢が対象を自分以外のものから見つけてくるのに対して、志は自分自身の中から探し当てる、あるいは湧き立ってくるものといった感じです。
どちらの字にも草が関わっているのは面白いところです。
日本人は世界に類を見ないほど和を尊ぶ、公共心が高い人種ということを考え合わせてみても、「夢」以前はそれぞれが分を守って公のためを一番に暮らしてきたのではないでしょうか。
西洋からやってきた「夢」が志を向こうに追いやった感のある現代。
これからは夢を追い求めるよりも、原点に帰って静かに志を見出す方向にシフトしていくのも一考です。
焼き畑2014
青苧復活夢見隊:2014/05/18
今年も焼き畑の季節がやってまいりました。
年々拡大の一途をたどる参加者数は、今年はなんと80名!
その半数を占めたのは東北芸術工科大学の学生さんたち。
新設されたばかりのデザイン工学部コミュニティデザイン学科と芸術学部工芸学科テキスタイルコースの皆さんです。
それに県庁、役場、大学の先生方、取材の方、お手伝いの方、我々メンバーなどを加えて、夢見隊史上最大の大所帯が形成されました。
これだけ大勢だと、あちこちで挨拶&立ち話が発生し、作業中も次々に相手を変えながら話の輪が広がっていきます。
作業という名のピクニック、あるいはわずか四畝の土地に放り込まれた日本人の坩堝といった感があります。
よく人海戦術とかローラー作戦などと言いますが、人が沢山いるというのはそれだけで威力です。
自分一人で80分かかる仕事が1分で終わる。
80回往復すべきところが1往復で済む。
正直、夢のような話です。
振り返ると自分がやった仕事の何十倍もの量が同時に進んでいるんですから。
ちょうど田植えが始まる時期でもありますが、昔の田植えのように村人が総出するような時も先人は同じような感慨を抱いたでしょうか。
昔も今も頼りになるのは人手(出)です。
初めての方が多い中で、一体どんな風に作業が進むだろうと段取りの心配などしていましたが、誰かが動けば自然と他の人もそれに加わる、作業が変わればいつの間にかみんなもそれをやっているといった具合で、場や状況を一瞬で察する我が同胞の長所が如何なく発揮されていました。
魚はよくあんなにパッパッと向きを変えられるなあと感心しますが、あれは頭が動いてから体が付いて行くのではなくて、一つ一つの細胞が同時に行動を起こすからあれだけ一瞬で動くことが出来るんだそうです。
群れ全体で見ても一匹一匹が細胞となることによって、全体として調和のとれた行動が出来るのでしょう。
失礼ながらそのような視点で見ると、今回の焼き畑でも、一人一人が自分の意思で動きつつ、全体としては魚の群れのごとく同じ方向を向いていたということになるでしょう。
前回、ミジンコやハエの話をしましたが、私たちは実は魚であったのかも知れません。
そして大海原の代わりに畑に火の海を出現させるや、みななんとなく故郷に帰ったような安心感と高揚感に包まれました。
人と一緒に自然の中で作業を行うというのは、私たちの細胞に組み込まれた安息の地なのかも知れません。
ペーストにする葉っぱや塩蔵する茎を摘み取ってから火入れ用の藁を敷き、火入れ後は鶏糞と菜種油粕を撒いて作業は終わりました。
前日の雨や強風の心配などなんのその、天候にも恵まれて賑やかな焼き畑でした。
ある意味、祭りのようでもあり、神が降りてきても何ら不思議のない、そんな空間だったような気がします。
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