お知らせ

循環こそ命

青苧復活夢見隊:2013/10/15

昨日とは一転、今日は肌寒い一日です。

大型台風も近づいて明日は山形にも近づくようです。

 

今日は和紙に使う青苧の刈り取りをしました。

いつかブログで書いた大山方式で原麻にする予定です。

 

最近姿勢が悪くなってきたなあと思って、特に立ってる時の姿勢に気をつけています。

筋肉が衰えてきたのか、普段の習慣が悪いのか、心がはつらつとしてないのか、そのいずれでもあるのでしょうが、背筋を伸ばして、胸を張って、足の裏からてっぺんまでの流れを意識すると、姿勢だけでなく心もピンとなるような気がします。

ただそれを持続するのは難しい。

継続は力なりとはよく言ったもので、事業にしても習慣にしても続けてこそ成果も生まれてきます。

直線をどこまでも引くことは難しいけれど、円ならさっと書けます。

そしてそれは手を離しても循環が完成しています。

青苧もまもなく冬が来て一時姿を消してしまいますが、また春が来れば新しい姿を見せるでしょう。

循環は変化と強弱によって生まれるのかもしれません。

 

一年が経つと、何も変わったことはなかったようでいて、実に沢山の変化や強弱がありました。

和紙となる青苧も、土から生まれて和紙になり、来春には小中学生の門出を祝う証書となって、子ども等の手に渡ります。

人の暮らしは、毎日が万物との循環。

犬や猫の能力もすごいけれど、人のそれは幾重にも折り重なって様々なつながりを生み出していますね。

 

天高く心肥ゆる秋

青苧復活夢見隊:2013/10/14

雲一つない秋晴れの下、来年の焼畑に使うわら集めを行いました。

脱穀機から次々と出てくるわら束を20束ほどまとめて縛ります。

わらの粉塵がもうもうと舞って、目やのどがイライラする中でひたすらまるっていきました。

機械の傍でごうごうとした音を聞きながら自分の世界に入っていく中で、私はふとおしんを思い起こしました。

 

先日、映画「おしん」を観に行きました。

劇場でも静かに涙を流して心洗われる思いがしたのですが、家に帰ってから30年前のテレビドラマのおしんも観たくなって、毎日のように動画で観ています。

一話、二話のつもりが一時間、二時間、三時間になって、日をまたぐことも少なくありません。

幼少期などは本当に涙、涙の連続です。

おしんを観ながらつい100年ほど前まではそんな時代が本当にあったんだなあということと、一話も見逃せない脚本を書いた橋田壽賀子に改めて驚嘆しています。

そしてやっぱりあれだけの苦難に遭っても負けずに生き抜いたおしんに学ばされることが数多くあります。

学ぶというか、自分自身が感化される感じでしょうか。

心の部分で負けちゃいけない、どんなにつらくても頑張ることの大事さを叩き込まれたような気がします。

今日のわら集めだってそんなにきつい作業ではないものの、ふと疲れてきたなあと思った時、おしんを思い出すといくらでも頑張れるような気がしました。

 

今の時代は口減らしに奉公に出されることもないし、冬に冷たい川で洗濯をすることもない。

恵まれています。

でも、その恵まれていることに気付いて感謝しないと、先人にも申し訳ないし、自分も人生を思いっきり生きられない。

そんな気がしました。

 

山形に来て農業をしていると、物語の舞台となっている場所も馴染みのある所だったり、農家の実情などもよく分かって、一層感情移入してしまうのかもしれません。

青い空の下、そんなことを思い出しながら体を動かしていると、自分は豊かだなあ、いや、豊かさを与えてもらっているのだなあと思います。

 

マシン、白日の下に

青苧復活夢見隊:2013/07/21

じぇじぇじぇ!(あまちゃん)

か、

ギョギョギョ!(さかなクン)

か、

ジャジャジャジャーン!(ハクション大魔王)

かよく分かりませんが、苧引きマシンが遂にそのベールを脱ぎました。

脱がせてくれたのはもちろん酒井美智代さん。

思えば今年1月の酒井さん著『山に生きる』での出会い以来、ことあるごとに脳裏に浮かんでは消え浮かんでは消えしてきたマシン。

半ば妄想の産物となりつつありました。

刈り取りも始まったことだし、いよいよ満を持して福島県昭和村の酒井さんを訪問です。

 

山形県が全国ニュースとなった豪雨により、雨にたたられる昭和村行きの悲劇が今回も?と案じた前日をよそに、出発直前に確認したところでは、道中の通行止めや土砂崩れ等の心配はなさそうでした。

振り返ってみれば、昭和村へ行くときは半分の確率で大豪雨に見舞われているのですから、疑心暗鬼に陥るのも人の子として仕方がないことではあります。

 

今回はプリウスでの旅ということで、運転の負担も少なく快適です。

酒井さんとの縁を繋いで下さった松島さんと昭和村で合流後、一緒に酒井さんのお宅を訪ねました。

 

丁度玄関で作業中でしたので、お仕事を拝見しながらお話を伺いましたが、マシンよりも先に我々が目を奪われたのは酒井さんの技の見事さ。

早く、的確で、美しいです。

酒井さんにとっては普通のことでもセミプロとも言えない我々にとっては、皮はぎのやり方一つから勉強になりました。

何より青苧自体がみなまっすぐで揃っており、栽培からして違うのだなと思わされました。

 

マシンは想像していた形とはやや違いました。

私はカンナのような一本歯をイメージしていましたが、マシンは苧引き具を取り付けた歯が10本ほど環状に並んでおり、それらが次々と回転して引いていきます。

元々は大麻用の機械ということで、苧引き具を当てる角度からして違うようです。

手で引く場合は苧引き具の当たる音がしないくらいに寝かせて引くものですが、マシンの方はカツカツカツ…!と間断なく襲いかかる歯の音が勇ましく、いかにも激しいです。

私も試しに引かせてもらいましたが、マシンのあまりの勢いに押されてしまったようでした。

これも熟練が必要なのでしょうが、所々皮が残ってしまい、手で引く場合に比べるとどうしても質は落ちるようです。

仲買人も機械引きのものは買っていかないとのことでした。

上級の糸を必要としない場合には多くの量をこなせるようですが、これを実用とするには現段階では少し難しいかもしれません。

ただ、マシンの構造自体は簡単なので、青苧用に改良しようと思えば出来なくはないようです。

イメージとしてはやはりカンナが近いように思います。

 

冬から恋焦がれていたマシンとの出会いは興奮と少しの失望、今後の熟考を残して終わりましたが、酒井さんとの出会いもそれに劣らず刺激的でした。

まっすぐの人にはまっすぐな想いが秘められている。

酒井さんの一挙一動からそんな風に感じました。

 

またいつか訪問させて下さいね。

 

 

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