お知らせ

楮とコラボ

青苧復活夢見隊:2012/12/01

楮刈り 冬の寒空 身を固め

バッサバッさと 刈り倒し

チョキンチョキンと 切り落とす

老若男女 打ち出でて

一心不乱に 身を任す

茎の大小 吟味して

枝を落とすと 一本棒

70cmに 切り揃え

さっと束ねて 一まるき

あっという間の 出来事に

時計の針は 30分

 

次の畑は 坂の上

近所の人と あいさつし

する作業は 同じでも

少し余裕も 出始める

楮と青苧 違っても

大事なところは よく似てる

刺激を受けた 青苧軍

八面六臂の 活躍に

感謝感謝の 三浦さん

 

仕事を終えて 軽トラの

荷台を囲む 輪になって

うまいコーヒー 飲みました

コップの右手 高々と

音頭の声は 清助爺

恒例行事 高らかに

空に響いた 皆でカンパイ

 

西川町で月山和紙を作ってらっしゃる三浦一之さん。

楮の刈り取りに参加させてもらった様子はこんな感じでした。

 

来年の楽しみ

青苧復活夢見隊:2012/11/19

早いもので天気予報に雪マークがつく季節になりました。

山の山頂付近はもう真っ白。

里に下りてくる日も間近でしょう。

 

今年の青苧畑での仕事も今日、水槽やホースを片付けて終わりました。

二番苧もすっかり立ち枯れて晩秋の気配を色濃くしています。

もうまもなくするとその身にどっさりと雪を被ることでしょう。

でも、根元にはしっかりと来年の芽が出ています。

これからの長い冬をじっと雪の下で耐えて過ごすわけですね。

健気な小さいその姿ですが、同時にたくましさや意志の強さも感じられます。

雪で隠れてしまっても、今日見たかわいい芽の残像は春の雪解けまでずっと残ると思います。

 

畑とはしばしのお別れですが、今日はNPO法人越後青苧の会の皆さんが遠路はるばる現地を訪れてくださり、新たな出会いがありました。

越後は青苧の栽培、交易が非常に盛んで上杉謙信、景勝の時代には藩財政の大きな基盤となっていました。

聞けば、上杉家が米沢藩に移封された際には青苧栽培農家や技術者などを丸ごと連れて来たとのことで、それによって米沢藩にも青苧栽培技術が伝来しました。

 

「人に歴史あり」ですが、ものにもやはり歴史があります。

時代と場所を超えて青苧でつながった今回のご縁もそういった目で見ると歴史の一部と言えるかもしれません。

これからお互い様々な面で交流できたら良いですね。

 

畑も人も来年への楽しみを持たせる良い一日でした。

しなってモウダ

青苧復活夢見隊:2012/10/20

しな布をご存知でしょうか。

新潟との県境に程近い、鶴岡市の関川集落で織り継がれている古代布で、原料はしなの木の皮です。

夢見隊に入ってから、関川にはしな布があるということを聞いていたので、毎年この時期に開催されるというしな織まつりをめがけて行ってきました。

 

私の普段の行動範囲は村山地域がほとんどで、月山を越えることはほとんどないのですが、月山の向こうはまた違った山形だなあということを行く度に感じます。

内陸よりもさらにゆったりしている。

山並みも包み込むような優しさが感じられます。

よそ者の私にとってはこっちがほんとの山形じゃないかなという気さえします。

 

月山を越え、鶴岡からさらに30kmほど南西に下ったところに関川はありました。

当初は展示会のようなものなのかなと思っていましたが、幟が立ち、踊り子が舞い、農産物を売るテントが立ち並ぶ様を見ていると「あ~、ほんとにまつりなんだ」と思いました。

それも地域挙げてのまつりでした。

 

建物の中に入るときれいな織姫さんが、一日署長よろしく一日織姫で織りの実演をしていました。

初めてとは言え、着物を着て機織の前に座っている織姫さんはさすがに絵になります。

若い女の人はお客を呼びますねえ。

右から左からお客さんに話しかけられ、シャッターを切られ大忙しの様子でした。

 

実際に織っている糸を触らせてもらいましたが、木の皮から採った繊維だけあって随分硬かったです。

織りに至るまでの手順も青苧と比べると数多く、着物や寝具など肌に直接触れる用途にも向かないにも関わらず、よくこれだけの手間を掛けて昔の人は続けてきたものだなあと感服します。

そして暖簾にしろ、バッグにしろ、しな織には原料が木ならではのどっしりとした落ち着きと正直さが感じられます。

ある種、私がこの地域に感じた山々の佇まいや空気がしな織という形に結晶しているかのようでした。

 

日本列島、しなの木など至るところに生えているのに、なぜここが静岡の葛布、沖縄の芭蕉布と並び日本三大古代布と呼ばれるほどの里となったのか。

それはやはりこの土地がそうさせるだけの場所であったのだろうと思います。

 

帰ってきてから知りましたが、しなの木は地方により、マダ、マンダ、モウダ、モワダなどと呼ばれるそうで、アイヌ語の「結ぶ」という意味の語に由来するそうです。

なんだか土地に感じた私の感性が言葉によってぎゅっと結ばれた気がします。

 

関川での滞在も往復も超特急の旅でしたが、帰ってきてこれを書いている今は随分ゆったりと豊かな気分です。

 

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